かつて上場していたシグマゲインの
系列のSVC証券が、
AV大手のDMM傘下となり、
DMM.com証券として営業中。
一部で話題に。
業界最大手AVサイト「DMM」証券業も…変身のワケ

2010年01月19日17時00分 / 提供:ZAKZAK(夕刊フジ)
ZAKZAK(夕刊フジ)

 昨年から今年にかけて、インターネットによる動画レンタル・通販大手の「DMM」(デジタル・メディア・マート、東京・恵比寿)が運営する「DMM.com証券」のテレビCMが多く流れている。動画総数4万作品を超える日本最大のAVサイトを有し、好事家にはアダルトのイメージが強い同社がなぜ、この時期に証券業に進出したのか。

 DMM.com証券は、大証2部の投資会社「シグマ・ゲイン」の100%子会社だった「SVC証券」をDMMが昨年6月に買収、社名変更したもの。買収価格は推定で3億円程度とみられている。

 DMM本社は、証券業進出の理由について「DMM.comとして推進しているインターネットビジネスの一環。弊社の集客力とのシナジー効果を期待しての新規事業です。経営はあくまで旧SVC証券役員やスタッフに一任し、DMMは資本関係のみとなっております」と説明する。

 資本関係のみ、というものの、DMMはネットレンタル・通販事業などを通じ、高度なIT技術や顧客情報の管理機能、新規事業立ち上げに関する豊富なノウハウを持っている。楽天や旧ライブドアなどと同様、ネット証券業への進出は不思議ではない。IT業界関係者の間では、「FX(外国為替証拠金取引)人気にあやかると同時に、アダルトのイメージが強いDMMのブランド向上を兼ねた取り組みの第一歩ではないか」とみられている。

 DMMをよく知るAVレーベルの幹部は次のように言う。

 「DMMは、有名AVブランドを多数抱える業界最大手、北都グループの直系で、AVの取り扱い数は他サイトを圧倒している。160万人の会員数と、グループ傘下の成人雑誌とのメディアミックスも武器で、アダルト系EC(電子商取引)サイトとしては日本最大です。資金力も潤沢で、IT系上場企業も傘下に収めている。金融業進出を足がかりに、ネット総合企業への本格的な“変身”準備を進めているといわれています」

 1999年11月、北都AV通販サイト運営会社として発足した同社の現在の売上高は200億円に迫る勢い。ここ3年間でも、対前年比291%、172%、129%と右肩上がりで伸びている。

 最近は、70万点を超す書籍やパソコンソフトの販売、フットサルリーグや格闘技、人気アイドルグループ「AKB48」の独占動画配信など、“非アダルト”の事業も積極的に展開。総合IT企業への地歩を着々と固めている。

 数年後には「えっ!? DMMってもともとアダルトだったの?」と言われる日がくるかもしれない。

http://news.livedoor.com/article/detail/4557193/